コンパクトな建物の中に、充実した趣味の場所を持つ住宅です。
外部への開口方法、室内の区切り方で日常生活に変化を持たせる空間を目指しました。
外へ生活感が出ない外観
道路からアプローチを通って玄関へ。
通りから一歩引いた場所に玄関を配置し、落ち着いて出入りできるようにしました。
奥の庭へとつながります。
らせん階段のある土間玄関
玄関を入ると広い土間玄関です。
モルタルの床は無垢の真鍮で目地を取っています。
縦方向のスリット窓から光が入り、らせん階段まわりを明るくします。
土間玄関は趣味の自転車の整備・保管場所にもなっています。
庭への出入り口や室内窓があり、視線が抜けていくようにしました。
最小限のベッドルームから続く小さなアトリエ
寝室はシングルベッドを2台置くといっぱいになる小さな空間です。
室内窓を取りながら採光通風を確保し、圧迫感が出ないようにしました。
趣味の裁縫を行う小さなアトリエへ繋がります。
アトリエは造り付けのテーブルと収納棚があります。
テーブル上に糸くずを捨てるための穴をあけ、ゴミ箱に直接落ちるようにしています。
庭へ直接出ることができ、外で布の水通しなどの作業も行います。
ガラスの室内窓越しに土間玄関が見えます。
作品を掛けるための十字のバーは、モルタル床目地と同じ真鍮素材にしました。
スリットのトップライト
2階の天井中央にはスリット状のトップライトが、垂木梁で挟み込むようなかたちで端まで通っています。
部屋の真ん中に柱は無く、トップライトは大きな空間を保つ架構の要素になっています。
床・梁などは足触りの良い熊野杉材を選びました。
窓まわりは造作カウンター収納とあわせて、ベンチとして座れる場所を造りました。
ダイニングテーブルと一体のキッチンシンク
壁付のコンロ側キッチンと、ダイニングテーブル+シンクキッチンに分かれた造作キッチンです。
キッチンと同じ高さでテーブルを造っているので、配膳・片付けが手近に行えます。
シンク横にはフロントオープン型食洗機を設置しています。
正方形に近いアイランド形式のテーブル+シンクにすることで、リビングスペースにゆとりができました。
テーブル天板とキッチンサイドはオーク材、ワークトップはステンレスです。
天井、壁のスリットから入る光の移ろい
眺望を得にくい都市部で、普段の暮らしの中に自然光が差し込むようにしました。
室内で暮らしている中で、天気や時間の経過が感じられます。
もともと持っていた家具たちのテイストを活かせるよう、造作部分をしつらえました。